はるまきのはるはなんのはるだろうって、彼女はささやいて銀のフォークをくるりとまわす。はるは、春だよ。春を巻いているんだよ、たけのことか。「はるさめの、はるじゃなくて?」ああ、そうかもしれない。「はるさめのはるは、なんのはる?」それは、あなた、春の雨じゃないの。「そらから降ってくるの」そらから降ってくるの。「ふうん」ことばは頷いているのにことばじゃないところでは首を傾げている。ちぐはぐね。「中国にいきたいな」どうして?「はるまき、たくさんあるんでしょう」そうかもしれないねえ。そうして彼女は微笑んだ。微笑んで、はるをかじった。そとではあめが降っている。この部屋は、なかからそとをさくさくと巻きこんで、ひとつのはるになっている。中国にいくのは、はれた日の方がいいよ。「じゃあ、天国にいこう」それも、きっと、はれた日の方がいいよ。
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ほったらかしにしていたつなビィをほりおこしました。3年振りです。過去は消し去りました
毎日は無理だということを悟ったのでたまにまたいろいろ書けるといいな